この研究は、東北大学加齢医学研究所の野中類准教授と川島隆太教授が、カーブスジャパンと共同で行ったもの。研究結果は、医学誌「Frontiers in Aging Neuroscience」オンライン版に掲載された。
この研究グループでは、サーキット運動を4週間実施するだけで高齢者の認知機能が向上することを明らかにした。
研究グループが2013年に発表した研究では、サーキット運動が高齢者の広範囲な認知機能を改善することが示された。4週間の運動により、実行機能、エピソード記憶、処理速度などの認知機能を広範囲に改善すると言う。4週間は無理でも30分間のサーキット運動を一回実施するだけでも、認知機能や気分が一時的に向上するという。
健康な中年女性32人と高齢女性32人を、有酸素運動・筋力トレーニング・ストレッチを実施する「サーキット運動群」と、「対照群」に分けた。
両群共に、1日30分の運動前後に認知機能検査や感情状態を聞く心理アンケートを実施した。
(「サーキット運動」は、上半身の筋力トレーニング、ステップボードでの有酸素運動、下半身の筋力トレーニング、ストレッチを行う運動方。)
その結果サーキット運動群の方が対照群よりも、認知力、活力気分が向上することが明らかになった。
サーキット運動は、中程度の運動負荷(最大心拍数の約70%)であることから、運動習慣のない人でも、運動始めるきっかけになると期待できます。
糖尿病専門医
医学博士 湯 原 淳 良 医師