全粒粉のパン、 玄米、発芽玄米、雑穀米、麦ごはんなどの「全粒穀物」を食べると、糖尿病や肥満のリスクを低く抑えられる。
全粒穀物を食べる食事スタイルは、睡眠の改善やうつ病を予防につながるという研究も発表されている。
炭水化物は全てが同じではない
炭水化物を適切に選び、食べる量を調整することは、糖尿病をコントロールするための最良の手段。
三大栄養素のうち、血糖にすぐに影響するのは炭水化物なので、その摂り方には工夫が必要。
米フロリダ州の7つの病院を要する臨床ケアネットワークであるバプテスト ヘルス サウスフロリダで働く管理栄養士カーラ デュエナス氏の意見は「精製された小麦粉や白米などを食べると、炭水化物の量は同じであっても、食物繊維が少ないため吸収が早く、食後の血糖上昇が起こりやすくなります。血糖値をコントロールする必要のある糖尿病の人にとって勧められるのは良質なタンパク質、野菜や果物とともに全粒粉です」
食物繊維が摂れる
糖質は、血糖値を早く上げる「単純糖質」と、ゆっくり上げる「複合糖質」に分けられる。単純糖質はお菓子や果物などに含まれる糖質で砂糖・果糖・ブドウ糖。複合糖質は穀類やイモ類、豆類などに含まれる糖質ででんぷん・二糖類だ。
複合糖質は、消化・吸収されるまでに、単純糖質れ分解される過程が入るので、九州に時間がかかり、血糖値を上げる速度が遅い。
複合糖質は”健康的な炭水化物”で。精白されていない小麦粉や玄米などの全粒穀物は複合糖質です。精白される過程で失われてしまう食物繊維、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質など、不足しがちな栄養素が豊富に含まれる。
精製された炭水化物は不眠の原因にもなる
成人の30%が不眠に悩まされているが、その原因の一端は食事スタイルにあるかもしれない。精製された炭水化物は、女性の不眠症のリスクを高める可能性があるという研究が発表された。
食後に血糖値が急上昇すると、血糖を下げるインスリンの分泌が刺激され、高インスリンの状態になる恐れがあります。その結果、血糖値が下がり、アドレナリンやコルチゾールなどのホルモンの分泌が増え、睡眠を妨げられる恐れがあります。
研究では、特に糖質を多く含むジャンクフードや清涼飲料などをよく食べる閉経後の女性は、不眠症になる可能性が高いことが示された。
逆に、食物繊維を多く含む野菜や果物を多く摂取している女性は、不眠症のリスクが低下するという。
研究は、米国のコロンビア大学バビロス医科大学院のジェームズ ガンウィッシュ氏らによるもの。
糖尿病専門医
医学博士 湯 原 淳 良 医師